トラックドライバー採用のためのインターンシップ実践ガイド

第8章効果測定とKPI

インターンシップは「やった/やらない」で終わりがちですが、継続予算を取るためには測定が必要です。静岡県トラック協会のアンケート設計を参考に、以下の3層で測ることを推奨します。

8-1. 3層のKPI

層指標測り方目安
アウトプット(実施量)受入校数、受入人数、延べ受入時間、体験時間比率実施記録体験時間比率50%超(助成要件)
アウトカム①(意識変化)①業界への興味が湧いたか
②また参加したいか
③当社/業界に就職したいか
④参加前後の志望度変化
事後アンケート(4段階または2択)静岡県ト協の実績=①90%/②87%/③32%
アウトカム②(行動)職場見学申込数、応募数、内定数、入社数、入社後3年定着率採用管理高卒3年以内離職率の全国平均37.9%、5〜29人規模54.6%を基準に自社を比較
中間指標(関係資産)受入依頼校数、翌年の再依頼率、教員からの紹介件数、保護者の反応学校対応記録再依頼率は関係構築の最良の指標

8-2. 事後アンケートの推奨設問(静岡県ト協の設計を参考に再構成)

  1. これまでに物流の仕事を体験・見学したことがありますか(はい/いいえ)
  2. 今回の参加は、学校からの案内によるものですか(はい/いいえ)
  3. 参加後、物流・運送の仕事に興味が湧きましたか(はい/いいえ)
  4. また参加したいと思いますか(はい/いいえ)
  5. この業界に就職したいと思いますか(はい/いいえ)
    • 「いいえ」の方 → その理由(自由記述)★ ここが最も重要
  6. 就職先を決めるときに重視することは何ですか(複数選択:仕事の内容/人間関係/給料/やりがい/職種/勤務時間/休日/勤務地/その他)と、そのうち最も重視するもの1つ
  7. 良かった内容/もっと時間が欲しかった内容(自由記述)
  8. わかりにくかった説明、不安に感じたこと(自由記述)

設問5の「いいえの理由」がすべてです。静岡県ト協の事例では、そこから「免許未取得・運転への不安」「肉体労働の負担」という具体的な障壁が明確になりました。翌年のプログラム改善は、この回答から設計します。

8-3. 経営層への説明の型

  • インターンシップの主効果は「今年の採用数」ではなく「3年後の応募母集団と定着率」です。
  • 費用は、全ト協助成(3日9万/4日11万/5日以上13万円)で相当部分がカバーされます。1事業者1回限りであるため、助成は「初年度の立ち上げ費用」と位置づけ、2年目以降は自社負担で回す前提の計画にします。
  • 比較対象として、採用単価(求人媒体費・紹介手数料)と、早期離職1名あたりの損失(採用費+教育費+免許取得支援費)を提示すると説得力が出ます。

受入れに役立つ情報